梵名は、「馬の頭を持つ者」の意であるハヤグリーバア。
観音は、優しい顔の慈悲相が普通ですが、この観音に限っては恐い憤怒相をしています。これは、慈悲で救い難い衆生のためには、仏が怒りの姿をもって救い上げようとするもので、弥陀の変化した一つの形が馬頭観音といわれています。
馬頭観音は、平安時代より六観音・七観音の一つとして仏教的な目的で建立されてきましたが、江戸時代に入り、農村部などで馬の供養塔や墓標的な性格をもつものが増え、それとともに文字塔が多くなりました。
建立の場所は死馬捨場・峠や山道などの交通の難所・村はずれの追分・屋敷地内などが多いようです。