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60日に一度巡ってくる庚申の日に、その夜を眠らずに過ごして健康長寿を願う信仰があります。これは、古代中国の道教の影響を受けたもので、人の体の中には三尸という虫がいて庚申の夜に天に昇り、天帝にその人の罪過を告げて人の寿命を縮めるというものです。したがって、三尸を体の外に出さないために、庚申の夜は眠らずに朝を迎えるというものです。この庚申信仰は、平安時代に日本に伝わり、室町時代になると、伝染病の予防・治療の信仰対象であった青面金剛が、三尸を駆除する目的で結びつきました。江戸時代になると、「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿を三尸になぞらえ、罪過を天帝に報告させぬ意から、庚申信仰と結びつき、各地で3者の結びついた石仏が造立されるようになりました。