大幡駅
大幡駅は、昭和18年東武熊谷線の開通に伴い、第1期工事の一貫として鹿島組により建設されました。
東武熊谷線には、熊谷駅―上熊谷駅―大幡駅―妻沼駅の4駅あり、前2駅は国鉄と秩父鉄道から借用していたので、独自の駅舎は大幡駅と妻沼駅の2駅でした。熊谷駅から9分、妻沼駅まで7分、料金は昭和58年当時で、熊谷―大幡間100円、大幡―妻沼間100円でした。
当初は駅長・駅員もいる駅でしたが、昭和29年に蒸気機関車からディーゼルカーの交代に伴い、同年12月から無人駅となり、切符等は車内販売で車掌が扱うことになりました。
ところが、昭和38年には熊谷市立女子高校が開校し、昭和46年には大幡市営団地が建設されたことにより、大幡駅の利用者が急増しました。そこで、東武鉄道は、駅前で雑貨屋に切符販売を委託し、利用者の便を図ることにしました。販売委託は、昭和58年5月31日の廃線の日まで行われ、東武鉄道では、その功績を認め、廃線の日に感謝状と東武鉄道の徽章が付いたミニチュア帽子を贈りました。
駅舎は、入口に張り出し屋根のある瓦葺平屋建物でしたが、昭和52年3月に取り壊され、ホームはアスファルトに替り、同年4月1日より、雨除け屋根の付いた待合室とトイレが供用開始となりました。