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貴惣門

国指定重要文化財 建造物「貴惣門」

貴惣門全景 貴惣門破風
 嘉永4年(1851)竣工
 三間一戸八脚門、二重、切妻造、瓦棒銅板茸。

梁間5.2m、桁行9.2m、棟高13.3m。二階は床組がなく屋根のみを二重とした重層門である。初重妻側は左右対称の招屋根形式として、それぞれ独立した破風を付ける。それらを傘下に納めるように上層の破風が掲げられ、妻側に三つの破風飾りが付く、奇抜で意匠的な形式の門である。原案の作成は、寛保大洪水の災害復旧の御手伝普請でこの地に派遣された、周防吉川藩士長谷川十右衛門良治である。造営中であった聖天堂の棟梁林政清と親交を結び、帰国後の寛保3年には貴惣門の図面を政清に送っている。しかしこれを建設する余力はなく、100年あまりの後、子孫の棟梁林正道によって、より規模を大きくして実現した。彫刻は上州花輪村の石原常人主利が担当した。柱頭廻りを賑やかに飾る彫刻群は素木のケヤキ材で、彩色に代わって細やかな彫刻が施される。聖天堂建立以降、幕末期に至るまで、立体化・細密化が進んだ彫刻技法の特徴が良く表われている。それぞれの彫刻には寄進者銘が刻まれており、聖天堂と同様、庶民信仰の篤さを象徴している。平成14年5月23日に重要文化財に指定された。

貴惣門正面之図 貴惣門妻之図(林金吾氏蔵)


貴惣門に施された彫刻

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