よみがえる彩色歓喜院聖天堂
第3回 聖天堂の彫刻(1)二つの鳳凰
聖天堂は、奥殿と拝殿を中殿が結び付ける「
それらの彫刻は、上州花輪村(現在の群馬県みどり市)の彫刻師であった
18世紀中期以降、寺社建築における彫刻と彩色の技法は、装飾性を含んだ上で進展しており、その流れの中で技術を高めた吟八郎やその弟子たちによって、数多くの聖天堂の彫刻が作られていきました。
その中で、精緻を極めた彫刻の最たる例が、奥殿の外部における南側と北側に施された一対の「
この二つの彫刻は、今回の保存修理工事において、聖天堂から取り外され、彩色の復元が行われました。再び元の位置に戻った、二つの「鳳凰」。彩色と共によみがえった鋭い眼光からは、彫刻師たちの情熱がうかがえます。