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周辺の弥生時代遺跡

熊谷市周辺は、弥生時代の遺跡が集中する地域です。主に中期は妻沼低地及び新期荒川扇状地上に立地していますが、後期になると江南台地や比企丘陵上に移る傾向が認められます。前中西遺跡周辺には、東約1.5qに池上・小敷田(こしきだ)遺跡、北約2qに北島遺跡、北東2.5qに古宮(こみや)遺跡、東に隣接して諏訪木(すわのき)遺跡などがあり、関東地方でも有数の遺跡が所在しています。
遺跡名 前期末 中期前半 中期中葉 中期後半(古) 中期後半(中) 中期後半(新) 中期末 後期初頭 後期前半 後期後半
1 深谷市堀東遺跡
2 深谷市明戸東遺跡
3 深谷市上敷免森下遺跡
4 深谷市上敷免遺跡
5 深谷市旧桜ヶ丘女子校遺跡
6 深谷市宮ヶ谷戸遺跡
7 深谷市荷鞍ヶ谷戸遺跡
8 深谷市万願寺遺跡
9 深谷市四反歩遺跡
10 深谷市白草遺跡
11 熊谷市飯塚北遺跡
12 熊谷市飯塚遺跡
13 熊谷市飯塚南遺跡
14 熊谷市横間栗遺跡
15 熊谷市三ヶ尻(上古)遺跡
16 熊谷市北島遺跡
17 熊谷市古宮遺跡
18 熊谷市池上・行田市小敷田遺跡
19 熊谷市諏訪木遺跡
20 熊谷市前中西遺跡
21 熊谷市平戸遺跡
22 熊谷市姥ヶ沢遺跡
23 熊谷市富士山遺跡
24 熊谷市下田町遺跡
25 熊谷市箕輪遺跡
26 熊谷市円山遺跡
27 熊谷市船木遺跡
28 嵐山町大野田西遺跡
29 滑川町船川遺跡
30 滑川町大谷遺跡
31 滑川町打越遺跡
32 滑川町新井遺跡
33 東松山市玉太岡遺跡
34 東松山市吉ヶ谷遺跡
35 鴻巣市袋・台遺跡

熊谷市周辺の弥生時代遺跡時期別一覧

池上・小敷田遺跡

池上・小敷田遺跡は、熊谷市と行田市にまたがる遺跡です。妻沼低地の自然堤防上に立地する弥生時代中期中葉から江戸時代までの複合遺跡です。池上遺跡では環濠集落、小敷田遺跡では関東地方で最古段階の方形周溝墓が見つかっており、関東地方における水稲農耕集落の定着を証明した弥生時代中期中葉の遺跡として学史的にも有名です。出土遺物には、在地の土器や石器、土偶などの他に北陸地方の小松式や東北地方南部の南御山U式、北信地方の栗林式などの外来系土器があります。

古宮遺跡

妻沼低地の自然堤防上に立地する縄文時代晩期から室町時代までの複合遺跡です。弥生時代中期中葉の集落遺跡で竪穴住居跡の他に独立棟持柱を持つ掘立柱建物跡なども見つかっています。出土遺物には、在地の土器や石器の他に北陸地方の小松式や北信地方の栗林式などの外来系土器、翡翠製勾玉などがあります。

北島遺跡

妻沼低地の自然堤防上に立地する弥生時代中期後半から江戸時代までの複合遺跡です。弥生時代中期後半(中段階)の大規模集落で古宮遺跡と同じく独立棟持柱を持つ掘立柱建物跡なども見つかっています。集落内には旧河川跡に接続する水路に堰が構築されており、水路下流の南東部では水田跡も見つかっています。出土遺物には、在地の土器や石器などの他に北信地方の栗林式や南関東地方の宮ノ台式などの外来系土器、石器などがあります。

諏訪木遺跡

妻沼低地の自然堤防上に立地する縄文時代後期から江戸時代までの複合遺跡です。前中西遺跡とは同じ小河川沿いに立地することから同一遺跡とみなされます。弥生時代中期後半から末にかけての集落の他に方形周溝墓も見つかっています。出土遺物には、在地の土器や石器の他に北信地方の栗林式土器や石器など外来系のものもみられます。また平成26年度の調査では中期末の竪穴住居跡から栗林式土器とともにほぼ完形の土偶形容器が出土しています。