熊谷市のうちわ
須藤商店
「大里村玉作」の須藤商店で配られた「暑中御伺」の房州うちわ(江戸うちわ)です。
須藤商店は、玉作で、「醤油、味噌、雑貨、酒類、飼料、米穀」などを扱っていました。
うちわ表面のイラストは、店員に扮した大黒様が、「カルケット」と書かれた箱からビスケットを取り出し、量りの上の紙袋に小分けにしています。手前の恵比寿様に扮したお客は、のしと紅白の水引が掛けられた「贈答品」を手にして微笑んでいます。
店内には、陶磁器(徳利・茶碗・皿・火鉢・植木鉢)、コップ、ほうき、唐傘、洗剤(TOILET SOAP・POWDER SOAP)、石鹸、米、菓子、養命酒、肌着など、多種多様な商品が売られています。「御進物に お手みやげに 買いよい店」と書かれた看板が下げられています。
「カルケット」は、大正9年に、大正製菓から発売されたビスケットで、戦後の小麦と砂糖の統制令により発売が中断されましたが、昭和27年に販売が再開され、現在に至っています。
「大里村」は、昭和30年に、市田村と吉見村が合併して誕生した村であることから、このうちわが配られた時期は、昭和30年代と思われます。