現在の位置:ホーム > 収蔵庫旧家蔵出資料

旧家蔵出資料12

明治時代に北海道で採取されたと思われる縄文時代草創期の石器「尖頭器」です。

長さ14p、幅3.4pを測る黒曜石製の尖頭器で、厚紙の左側に糸で括り付けられています。尖頭器は、槍の穂先のように棒に付けて狩猟に用いられた打製石器です。
厚紙の右側には「石器時代矢の根石 凡参千年■前 明治貮拾八年拾月求之 石橋北海■人」と鉛筆で記されています。尖頭器には「根室国前咲」とラベルが付けられています。
「根室国」は、明治2年に5郡が制定され成立し、「花咲」郡は、明治12年に根室国の行政区画として発足しました。当時の郡域は、根室半島東部と、歯舞群島、色丹島で構成されていました。

明治時代の日本では、先史時代を、欧米の先行研究に倣い、打製石器を使用していた時代を旧石器時代、磨製石器を使用していた時代を新石器時代として認識していました。そして、来日したエドワード・シルヴェスター・モース博士が、明治10年大森貝塚を発掘し、その報告書『Shell Mounds of Omori』で、旧石器時代に該当するcord marked pottery(縄文土器)が使用された時代は、約3,000年前との年代認識を示していました。

厚紙の右下には、線刻画のようなものが描かれています。北海道には余市町ブコッペ洞窟(昭和2年発見)と小樽市手宮洞窟(慶応2年発見:明治11年榎本武揚が線刻画を学会に紹介)に線刻画が確認されており、発見された年代的に、手宮洞窟の線刻画(シャーマン)を模して描いたのではないかと推測されます。