林有章（はやしありあきら）（1859-1945）

政治家。俳人。熊谷市生まれ。書をよくし、碑文・篆刻・揮毫など多く、百碑先生の名がつく。詩文・俳句にも通じた。第1回郡長試験に合格し、埼玉県北・中葛飾・北埼玉の郡長などを歴任。また、竹井幽谷、高木弥太郎と、熊谷堤に桜樹植栽の発起人代表となり、植樹を実施。昭和2年8月11日熊谷堤は、内務省史蹟天然記念物の指定を受けたことを記念し、『名勝熊谷桜』を自費出版し配布した。その中に熊谷の桜堤について

熊谷櫻即興と題し

「満堤櫻樹暖風開　嘗與同人手自栽　一道花洞春駘蕩　叙光幅影帯香来」

「煙霞與我有溝因　又酔堤櫻爛漫春　最愛軽風枝上度　粉々香雪樸吟人」

と吟詠している。

このほか、星溪園で、池亭聞蛙と題し

「池柳毿々夕景沈　翠陰深處愜幽襟　一窓湘覃清風坐　閑聴鳴蛙皷吹音」

と吟詠している。