柴田侑堂(しばたゆうどう)(1913-2006)
書家、俳人。俳号:白陽 市内上新田生。18歳で書の道に入り、熊谷市書人連盟、埼玉県書道人連盟、書道団体「洸風会」の創設に参画し、埼玉県美術家協会においても要職を歴任し、その功績により埼玉県文化功労章を受章するなど、郷土の書道界の振興に大きな足跡を残す。また、俳誌『相思樹』を主催し、朝日新聞・産経新聞の俳壇選者を務めた現代俳句人。
・養蚕が盛んなころの江南地域の畑から、諏訪神社の社を見て詠んだ句。
「父祖の地や 桑の畑より 神の社」
諏訪神社の白陽句碑
「父祖の地や ぬくもりふかき 百日紅」
東漸寺(石原)句碑
・荒川を詠んだ句。
「若鮎が はしり川瀬の 蒼きひかり」
荒川・荒川大橋(絵葉書:大正~昭和初期)
・石上寺の桜を詠んだ句。
「夜さくらや 土手の上なる 石上寺」
・河原松山公園を詠んだ句。
「月見草に 秩父嶺の紺 昏れそめぬ」
河原松山公園(絵葉書:明治~大正期)
・赤城久伊豆神社に詣でて詠んだ句。
「為朝の 額絵と杉の 香とふりぬ」
・龍淵寺を詠んだ句。
「龍淵寺 見えて此の道 時雨けり」
「しぐれ居て 大藁屋根の 寺寂びぬ」
龍淵寺(絵葉書:大正~昭和初期)
・図書館句会
「厠より 見ゆるところの 破芭蕉」
「破芭蕉の 大きくゆれて 静まれる」
「破芭蕉のゆれ居る傍を 通りけり」
「灰ほこり 払って焚火 去りにけり」
「風邪引きの よりかかりをり 大火鉢」
「風邪引いて 部屋あたたむる 庵主哉」
「破芭蕉の 大きくゆれて 静まれる」
「破芭蕉のゆれ居る傍を 通りけり」
「灰ほこり 払って焚火 去りにけり」
「風邪引きの よりかかりをり 大火鉢」
「風邪引いて 部屋あたたむる 庵主哉」
参考文献
- 1932年『星川』第20号 熊谷市立図書館
- 1933年『星川』第21号 熊谷市立図書館