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中川宇保(なかがわうほう)(1861-1942)

本名勝蔵。明治11年熊谷宿の中川家に養子として迎えられる。大竹政正の折遰学舎に入塾し学業に励む。また父の指南により剣道の腕を磨き、明治14年静岡県清水港の警察署に勤務、その後故郷に帰り、熊谷町立尋常高等小学校教師となる。友人牛島半舟の勧めにより俳諧の門に入り、句作を行う。句友に三沢刀泉押田文岱岡部素柳中沢正覚卯木風汀、高木敬子らがいる。大正15年泉吟社の創立句会が星溪園において開催された時の社友に、一宿一路浩波紫紅、孤童、養翮、万雲、荻翠、刀洋、刀泉、酒泉、大河、風月、美秋、慶翠、春灯、一羊らがいる。

「熊手買う すべもあらなく 押されけり」
「商へる 熊手の聲の 朗らかに」
「傘に散る 落葉を仰く 時雨かな」
「東天の 紅染めけり 初詣」
「門松の 並びて水に 映りけり」

「手枕の眼や山吹へ 一天に」
「住みなして 山吹垣の その中に」

「図書館に 灯のともりたる 時雨かな」

「風邪声の 人の出ている 電話かな」
「焚火の輪 印半天 ばかりなり」

参考文献

  • 1932年『星川』第15号 熊谷市立図書館
  • 1932年『星川』第17号 熊谷市立図書館
  • 1932年『星川』第20号 熊谷市立図書館
  • 1933年『星川』第21号 熊谷市立図書館