円山遺跡・円山古墳群 |
熊谷市箕輪地域は、荒川を望む台地上に多くの遺跡が分布していた。昭和52年以降の土採りや工場進出などで昭和60年ころまでに、ほとんど削平され、現在の景観に一変している。この円山地内にあった遺跡からは、古墳時代後期の円墳3基をはじめ弥生時代以降十数件軒の住居跡が発掘調査された。
古墳は、横穴式石室を主体部とし、周堀からは靱、さしば、帽子などの形象埴輪が出土している。竪穴式の住居は一辺にカマドを備えた方形で奈良・平安時代の集落をなしていた。
土師器・須恵器とともに「有」文字の鉄製烙印の出土が特に注目される。当時の烙印は馬匹や木材等に使用したとされるが、遺跡から発見される例では牧場等の施設で使用が推定される。当時、市域の資料に地名を記した『大里郡坪付』に「牧津里」、「牧川里」などの名が見えることから、箕輪地内周辺にあった「馬牧」との関係が考えられる。 |
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