熊谷市野原地内断層調査立会日記(4/4ページ)

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西面土壌サンプリング状況の写真2
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O2001年12月21日
西面土壌サンプル採取状況
2条の溝を掘り、柱状に残った中央の部分を採取します。


西面土壌サンプリング状況の写真3
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P2001年12月21日
西面土壌サンプル採取状況
中央の土壌を、エンビの雨樋で受けて採取しています。ボーリング機械を使わずに、手軽にできる方法です。


東面土壌サンプリング状況の写真
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Q2001年12月21日
東面土壌サンプル採取状況
琥珀の採取された層をサンプリングしています。花粉分析を行い、当時の植生がわかればと考えています。


取り上げられた土壌サンプリングの写真
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R2001年12月21日
取り上げられた土壌サンプル
エンビの雨樋には、標高値とサンプル場所をマジックで書き込み、ラッピングして持ち帰ります。


断層実測用取枠の写真
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S2001年12月21日
断層調査用取枠(水糸がメッシュに張ってあり、土層の堆積状況を実測用紙に記録するのに、このメッシュを基準に測量する)
水道管を組み合わせて作ったもの。
遺跡の発掘でも集石土壙や微細な遺物の出土状況を記録する時に取枠は使います。
当教育委員会でも木枠で重い製品を購入して使っていますが、これなら軽くて、価格も手頃です。
今度、これを参考にして作ってみようかと考えています。


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           *画像はクリックすると拡大されます。

あとがき 
 今回は、独立行政法人 活断層研究センターおよび中央開発株式会社のご好意により、断層調査の一部を紹介させていただきました。
 前回、1994年の丸山遺跡の発掘調査で偶然確認して以来、7年ぶりに実見した断層ですが、落差3mの断層はやはりすごいとしか言いようがありませんでした。
 断層の形成された時期(イベント)については、発掘調査で確認された9世紀前後の集落には、住居跡の歪みや、焼失住居などの災害の痕跡は確認されず、この集落形成以前の出来事であり、下限は、関東ローム層がずれていることから、縄文時代以降の地震であることが推測されます。はたしてこの断層が震度いくつで、いつできたものなのか、現状では確認できない当時3mも乗り上げた上盤側の土はどこへいってしまったのか、次のイベントは起きるのかなど色々な疑問があります。
 この断層調査の記録紹介は、調査主体者の記録ではなく、あくまでも調査に立ちあわせていただいた側の紹介記事ですので、今回の調査で、どれ位の事象が判明されたのかは、正式な報告がいずれ、独立行政法人 活断層研究センターより公開されますので、そちらを待ちたいと思います。
 最後になりましたが、短い調査期間でお忙しいにもかかわらず、旧江南町内小学6年生の見学・説明を快諾していただき、また、土壌のサンプリング・写真撮影等の便宜を図っていただいた、独立行政法人 活断層研究センターおよび中央開発株式会社の方々にお礼申し上げます。
                                                       2002年1月21日 

    参考:独立行政法人 活断層研究センター http://unit.aist.go.jp/actfault/activef.html