市内にはどのような指定文化財のお囃子がありますか?

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 現在市内には文化財指定されているお囃子が4つあります。東別府祭ばやし、成沢屋台囃子、板井屋台囃子、上新田屋台囃子です。
 東別府祭ばやしは、江戸中期より行われている東別府神社の夏祭りにおいて、神輿巡行の「力づけ」を行う役目があります。祭り当日、囃子は東別府の各字へと出向き、五穀豊穣・家内安全・悪疫退散を祈願して演奏を続けます。演目には、通称「ばか囃子」や「祭り囃子」などがあり、躍動的な囃子に、おかめとひょっとこの踊りが加わります。地区民の娯楽を兼ねた芸能として今日に継承されています。
 成沢屋台囃子は、毎年7月24日、江南地域の成沢にある赤城神社にて行われる「成沢の天王様」といわれる祭りで演奏される囃子です。囃子は、笠鉾・山車の曳き回しの際に行われていましたが、現在は据え置き屋台での居囃子の形態で演奏されることが多くなりました。祭囃子の種類としては、「鎌倉流五人囃子」といわれています。大人たちによる囃子のほか、多くの子どもたちが屋台に上がり、太鼓を打ち続ける姿は圧巻です。
 板井屋台囃子は、毎年7月、江南地域の板井にある出雲乃伊波比神社で行われる八坂祭りで演奏されます。太鼓、鉦、笛で構成される囃子は、山車に乗り込んで演奏され、神輿とともに地区内を巡ります。囃子の笛の音色から「ひばりばやし」ともいわれ、軽快な旋律が響き渡ります。更に、「新ばやし」を伴奏にして踊られる「板井のひょっとこ踊り」は、江戸時代から継承されており、祭りを盛り上げる娯楽演芸となっています。
 上新田屋台囃子は、上新田地区にある諏訪神社の大祭で演奏される囃子です。江戸中期から始められ、明治時代以降から民俗芸能として本格的に継承されています。囃子について記した「大帳」が残されており、それによると、「新囃子」、「屋台囃子」、「ショウデン」、「鎌倉」、「神田丸」の五曲目を有していることが知られています。現在では、「屋台囃子」を中心に演奏されます。活気溢れる太鼓の音は、盛夏の人々の心に快く響きます。