市内にはどのような指定文化財の獅子舞がありますか?

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 現在市内には文化財指定されている獅子舞が4つあります。池上獅子舞、下恩田ささら獅子舞、須賀広ササラ獅子舞、押切ささら獅子舞です。
 池上獅子舞は、池上にある古宮神社に伝わる獅子舞は、室町時代に神主の茂木大膳が、京都石清水八幡宮で目にした獅子舞に感銘を受け、当地に伝えたものといわれています。
 この獅子舞は、三頭の獅子と「めんか」が一組となる勇壮な舞いで、神社の祭り行事として、「悪疫退散」「五穀豊穣」「家内安全」などの祈願のほか、「雨乞い神事」にも舞われてきました。
 江戸時代から始まる下恩田ささら獅子舞は、明治以降、大里地域の諏訪神社夏祭りにおける地域の一大行事になりました。獅子舞は、稲作の大事な時期に吹く大風「諏訪荒れ」や、大雨による被害を少なくさせることや、五穀豊穣や氏子繁昌の祈りを込めて、下恩田の諏訪神社に奉納されています。囃子とささらの音を響かせ、若連の棒組(ぼうぐみ)や花笠と共に演じられる獅子舞は、太鼓の音を放ち、勇ましい歩調を刻みます。
毎年10月、江南地域の須賀広にある八幡神社において秋祭りで奉納される須賀広ササラ獅子舞は、文化元年(1804)に、現在の比企郡の諏訪神社に奉納されていたものが伝習され、須賀広地区に根付いたものです。三頭一人立ち獅子舞であり、他に花笠、棒使い、道化で構成され、奉納の後にムラマワリ(村廻り)を行います。獅子の舞いや、ササラの響き、囃子の明るい曲調は、秋の夜を楽しませると共に神秘的な空間をもたらしてくれます。
 押切ささら獅子舞は、江南地域の上押切にある八幡神社で毎年10月に行われる祭りにおいて、奉納される獅子舞です。三頭一人立ち獅子舞であり、他に棒使い、道化で構成されています。更に、花笠によるササラや、ひょっとこ、おかめが続きます。獅子舞の発祥について、地元の言い伝えによると、元和元年(1615)に、大坂夏の陣で敗れた豊臣の家臣といわれる落武者が、獅子に化けて逃げてきたという逸話が残っています。