本板石塔婆は、正嘉二年(1258)銘と古く、板石塔婆発祥期に位置付けられるものです。
上半部に薬研彫り されている阿弥陀如来の種子は、56cmと身部の1/3を占めるほど大きく、一部剥落しているものの明瞭にその姿を確認することができます。また、下半部には宗朝風の一風変わった楷書体の銘文が刻まれています。
銘文は亡き父の霊魂の成仏を祈るためのものであり、「滅罪生善、成等正覚」という銘文から、罪を滅ぼし、善を生じ等正覚を成すために、この板石塔婆を造立したことがうかがえます。「等」は、あまねく等しく、「正」は正しく、「覚」は知るという意味で、仏の法を知り、悟りを開くことです。
右志者偏為逝去慈父幽霊滅罪
戊
正嘉第二暦 卯月
午
生善成等正覚仍造立如件
昭和32年10月江南町指定文化財に指定されています。
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