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熊谷市指定記念物 名勝
()(しょ)
切れ所の写真
所在地 小泉
所有者(管理者) 個人他
熊谷市の大里地域にある「切れ所」(小泉地区)と「中の渕」(小八林地区)は自然地形の変遷を現在に残す貴重な遺産であることから、熊谷市の記念物(名勝)として文化財指定されています。ともに明治初期以降の度重なる荒川洪水の破堤により形作られた池であり、堤防を破った水が土壌を(えぐ)り取り、押し出した場所に水が留まったことから、「押堀(おっぽり)」とも称されています。
「切れ所」は、昭和13年(1938)の洪水の際に現在の形へと拡大した経過を辿(たど)り、屈曲した沼地の線が残されているなど保存状態が良好です。面積は7,200uを測り、荒川右岸に残されている押堀の中では比較的大きい規模を誇ります。また、「中の渕」は大芦(おおあし)橋に隣接した場所にあり、形成当初より規模が小さくなりましたが、安定した水量を維持しています。現在では、この二つの池はヘラブナ釣りの名所として、市内外から多くの人々が訪れています。
なお、「切れ所」は、平成25年(2013)に刊行された文化庁『名勝に関する総合調査』において重要事例に指定されており、貴重な自然的遺産として評価されています。荒川の歴史と深いつながりのある二つの名勝を未来に残すため、景観の保護を継続的に行っていく必要があります。
指定年月日 昭和54年5月14日