諸八兵衛尉藤原正綱(もろはちべいふじわらまさつな)(■-■)
熊谷市指定有形文化財 工芸品「梵鐘」
鋳物師。生没年不詳。元禄期の市内妻沼に工房を持った鋳物師。元禄期の名僧律師彗光(1666-1734)が鋳物師としての実力を認める。正綱の作品としては、市内永井太田の能護寺梵鐘(元禄14年:1702)に「鋳工 武州目沼住 諸八兵衛尉藤原正綱」、市内妻沼の歓喜院銅鐘(元禄14年:1701)に「治工目沼住正綱作」、市内間々田の弘法寺銅鐘(享保7年:1712)に「鋳物師 諸正綱作」、市内弁財の薬王寺銅鐘(享保16年:1731)に「武蔵國住目沼村 鋳物大工 八兵衛作之」と刻まれる。この他、群馬県明和村普済寺の銅鐘(享保3年:1708)に「武州目沼住諸右近将藤原正綱」、同渋川市良珊寺の菩薩坐像(享保5年:1710)に「大工鋳物師 右近将藤原正綱」、同渋川市真光寺宝塔(享保17年:1722)に「御鋳物師諸藤原正綱、同子諸八左衛門」などがある。