現在の位置:ホーム読書室 > 熊谷の伝説

熊谷次郎直実の馬(樋春南地区)

戻る
馬といえば、今では競争馬ぐらいしか見ることも少なくなってしまいましたが、昔は、馬は荷物を運んだり、乗り物であったり、農家では、牛や馬のいずれかを飼って農耕に使用し、トラクターのような働きをする大変貴重な家畜でした。家の中に家族同様の馬小屋を持っている家も少なくありませんでした。
道端で多く見かける馬頭様は、そういった馬が亡くなると供養のために建てたものでした。樋春南地区の大沢家にあった馬頭様については、次のような話が伝わっています。
その昔、熊谷次郎直実が馬に乗って当地を通りかかったところ、馬の具合が急に悪くなり歩けなくなってしまいました。そこで大沢家に立ち寄り、大沢家の馬と取替え、その馬に乗って無事に目的地に行くことができたのだそうです。
熊谷次郎直実の馬は、看護の甲斐なくその後死んでしまいました。その亡くなった馬を丁重に葬り、供養のために建てたのがこの馬頭様ではないかと伝えられています。
大沢家には馬頭が二つあり、一つは大変古いものでその時のものといい、もう一つは後に建てた新しいものだそうですが、その馬頭様も一つはいつの頃か薬師様(集会所)の所に納められ、一つは土地改良の時に真光寺に納められ、昔あった場所から移動しています。
馬に乗る武士のイラスト