庚申様は、仏様とも神様ともつかず、それは十干十二支の配置から出た庚申(かのえさる)のことで、中国の道教の祭典で古く日本に伝わったのだそうで、次のような諺があります。
「一言いっても八つ(午前二時)」とか「話は庚申の晩にせよ」などと言い、庚申の晩は村中集ってご供養し、夜の明けるまで話合ったもので、又、庚申の晩に孕んだ子は盗人になるなどと悪い言い伝えがあり、この晩は夫婦和合が出来ぬよう、一晩中寝ないで話し合って過ごしたのだといいます。
小八林の庚申様は、祟りやすい神でもあり、病魔を除く神様でもあり、特に耳の悪い方は祈願し治ると、竹で作った樽に神酒を入れて御礼参りし、大変ご利益があり、大勢の者がお詣りしたものでした。
また、一本杉の根本に稲荷様があって、子供の夜泣きにはお願いすれば、必ずなおると言い信仰する者が多くありました。
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