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冑山の庚申塔(冑山地区)

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日本に一つしかないと言い伝えられている珍しい庚申塔は、現在の冑山墓地入口左側に残っています。高さ127p、横巾55cmの石塔で、最上段に大蛇がのたうち廻っている姿が刻まれ、中心の人物像は4本の腕をもち、上の右手は鋭い矢じりで蛇ののど元を突きぬき、下は弓の矢を握っています。左手は上が花たくを捧げ、下は弓を持っています。そして足元左右に鶏の雌雄が向かい合い、最下段に三猿がきざんであります。
この庚申塔にまつわる伝説が残っています。
この地に松の老木があり、太い枝が道路の上に伸びていました。時おり、この枝に大蛇が尾を巻いてぶら下がり、大きな口から赤い舌をペロペロ出して人を驚かせるので、恐れて、しばらく誰も通らなくなってしまいました。
こんな事が度々繰り返されるので、たまりかねた村人がこの大蛇を封じ込めようと考えた末、庚申塔を建てて手厚く祀りました。
以後、再びこの大蛇は現れなくなったとか、今でもこの話は伝え残されています。