上押切の道の端に、仲良く肩を寄せ合い手を握り合った石仏があります。この石像は二神であるため、一般的には双体道祖神と呼ばれ、山梨県や長野県、群馬県などに多く見られ、埼玉県内には比較的少なく二十数体が知られています。近くでは川本町(現:深谷市)の本田とここのみです。
上押切では、この石像をドウロクジンサマと呼んでいますが、このドウロクジンサマは足の病に大変霊験があらたかで、足の病気になると、大きなワラジを作って供え、足の病を治してくださいと祈願をしたそうです。
また、今では行われませんが、昔は小正月の一月一五日にこの地区の子供たちが集まり、ドンドンヤキという火祭り行事を行っていました。この火祭りは、ドウロクジンサマのお祭りだとも伝えられています。
また、四月一五日がドウロクジンサマの縁日で、この地区の当番の世話役きの人が、家々を回って米を集め、女衆の人達が手伝って団子をつくり、お参りに来た子どもたちにふるまいました。このようにドウロクジンサマは、子どもたちにとって親しい楽しみの多い神様であったようです。
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