三人が一つの旅館に泊まったんだって。宿屋へ泊まって三人で、
「お前らここにいつまでいられねえんだから、いつ立つんだよ」
ちゅう話になったんだって。
そしたらお天道さまの方はね、
「おら、どうも朝早いんが好きだから、朝立ちにする」
って朝早ばんに立っちゃったんだって。だから朝、天道さま出るんだって。
そしたらお月さまがね、
「おら、あんまり明るいよりかも、暗い方が好きだから夜立つよ」
って、お月さまは夜そこの宿屋を立つんだって。
そしたらこんだ雷さまはね、
「みんなにいいところ取られちゃっちゃ、おらしょうがねえから、おら夕方立つことにして、夕立ちになるべや」
って言ったって。それで夕方立つんだって。
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