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子育て地蔵様(上新田・樋春南)

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昔は「お産は命がけ」といい、女の人にとって子供を産み育てることは大変なことでした。無事生まれた赤ん坊が、健康ですくすく育つようにと、お地蔵様にお参りしました。
誰が供えたのかわかりませんが、上新田の福田秀治さんの家の前のお地蔵様には、花とか、蜜柑とか林檎が供えられていました。時には前掛けや頭巾などをあげる人もありました。親の願いをきいてくれる有難い「子育て地蔵様」として厚く信仰されていました。
また、樋春南の真光寺前のお地蔵さんも「子育て地蔵」と呼ばれています。
昔は赤ん坊が生まれても母乳の出ない人や出の少ない人もあり、今のようにミルクというわけにはいかず、もらい乳や足し乳といって他人からもらって育てる人もありました。「どうぞ乳がよく出ますように」と言って拝み、願いがかなうと赤いハラガケや帽子をお礼に奉納しました。中には石の小さなお地蔵様を奉納する人もいました。
縁日には法要もあり賑わったといいますが、第二次大戦後はこういった縁日や信仰も段々忘れ去られていきました。
子育て地蔵様(上新田)
子育て地蔵様(上新田)