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コラム24 古代との遭遇11
        ー横間栗遺跡Bー
 [登録:2013年01月01日/掲載:2013年2月15日]
 


                                    

 第1号再葬墓の奥、北約7.5mの位置に第3号再葬墓が検出されました。長径60×短径52p、深さ30pの規模をもつ土坑に西向きに大型壺が倒れ、中に3点の小型壺や管玉が入れられていました。本再葬墓群がつくられた時期の中では、中間的な様相を示しています。何故、米作りの開始時期に合わせたように再葬墓が営まれたのでしょう。

 再葬墓というのは、死者を一度土葬し、一定期間の後に掘り出し、再度埋納する骨を選択する。その後水洗か火葬かによって清め、壺等へ納骨し、別の土坑に埋納する、という一連の祭祀行為をさします。つまり、一定期間の後ということは、ただの死者ではなく、祖先になっているわけです。
 そこで当時の人々が、米作りの開拓に当たった祖先がもつ強い力を頼んで、安定した収穫を得ようと願ってこのような墓制と祭祀形態をとったと思われます。

 こうした再葬墓は、祭祀そのものの意味合いがなくなったのか、あるいは広範囲に共通する新しい方法が用いられることになり、強制的に終了させられたのか、弥生時代中期前半に突然終了します。

 
第3号再葬墓


            参考文献
              2013年 「文化財コラム 古代との遭遇 第11話」『BUNKAZAI情報』第11号
                     熊谷市立江南文化財センター