鋤(すき)出土状態
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下駄(上面)
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下駄(下面)
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前中西遺跡 |
前中西遺跡は、熊谷市東部の妻沼低地の自然堤防上を中心に広がる、縄文時代後期から近世に至るまでの複合遺跡です。特に、弥生時代中期から後期には、大規模な集落が展開した場所です。平成22年度の発掘調査で、古墳時代後期の河川跡が見つかり、多数の土器と共に、鋤・横槌・下駄などの木製品が、ほぼ当時のままの姿で発見されました。
この河川跡は、現在も遺跡内を東へ流れる衣川の旧流路と考えられ、堰跡も発見され、当時水田などの農地に水を引いたものと想像されます。 |
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下駄(げた):服飾具:農具としての田下駄は弥生時代から存在したと考えられます。履き物としての下駄は、4世紀末~5世紀以前には出現していたと考えられます。
展示品は、足がのる台と接地する歯とを一本で作る連歯下駄と呼ばれる形式の下駄です。 |
横槌(よこつち):調整具:対象物を打ち潰すための道具です。具体的には、石や木の台の上に折りたたんだ布を置いてたたく、きぬた用の道具と考えられます。 |
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鋤(すき):土掘り具:「押し」「踏み」「すくう」という動作によって土を掘り起こす起耕具。稲作が伝わった頃の鋤は、刃部まで木製で作られており、次第に刃先から鉄器化していきました。 |
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