箱田氏館跡は、熊谷市中西四丁目周辺の荒川扇状地上に所在する、縄文時代後期から平安時代末期にかけての複合遺跡です。
南側には東西方向へ流れる衣川があり、遺跡はその自然堤防上に形成されていると考えられます。東側には前中西遺跡が隣接し、さらに東には諏訪木遺跡、藤之宮遺跡、上之古墳群、池上遺跡などが所在し、遺跡が密集している地域であることが判明しています。
今回の調査は、平成23年1月から道路建設計画による発掘調査として実施しました。 主な遺構として、縄文時代後・晩期の遺物包含層と竪穴建物跡、弥生時代中~後期の方形周溝墓、古墳時代前期の前方後方形周溝墓等が確認されています。
弥生時代については、方形周溝墓に関係すると思われる弥生土器が出土しています。古墳時代の前方後方形周溝墓からは、壷・坩等の土師器、鋤・鍬等の木製品をそれぞれまとまった状況で検出しています。
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